📅 公開日:2026年3月20日
【応用情報技術者試験】プロジェクトマネジメント完全解説|WBS・PERT・EVMを体系的に理解する
応用情報技術者試験のプロジェクトマネジメント分野では、PMBOK をベースにした知識が問われます。WBS・アローダイアグラム(PERT)・EVM などの手法を正確に理解することが合格への近道です。
1. プロジェクトマネジメントとは
プロジェクトマネジメントとは、特定の目標を達成するために、有期限で行うプロジェクト活動を計画・実行・統制する管理活動です。
「三大制約(トリプルコンストレイント)」として スコープ(範囲)・スケジュール(時間)・コスト(費用) の3つを管理することが基本です。この3つはトレードオフの関係にあり、一つを変えると他に影響が出ます。
2. WBS(Work Breakdown Structure)
WBS はプロジェクト全体の作業を 階層的に分解した図 です。家を建てる設計図のように、プロジェクト全体を「基礎工事・内装工事・外装工事」などの単位に細分化して管理します。
WBS の役割: - 作業の洗い出し(漏れ防止) - 担当者の割り当て - 工数・コストの見積もり基礎 - スコープ管理の核心
3. アローダイアグラム(PERT図)
アローダイアグラムはプロジェクトの作業の順序・依存関係を矢印(アロー)で表した図です。
クリティカルパス
プロジェクト開始から終了までの全経路のうち、所要時間の合計が最も長い経路 をクリティカルパスと呼びます。
- クリティカルパス上の作業は フロート(余裕時間)がゼロ
- クリティカルパス上の作業が遅れると、プロジェクト全体の完了日が遅れる
- 試験では「クリティカルパスの長さ=プロジェクトの最短完了日数」として計算問題が出る
ダミー作業
依存関係を示すためだけに使われる 工期0・コスト0 の仮想的な作業です。破線矢印で表します。
4. ガントチャート
プロジェクトの各作業を縦軸に、時間(日程)を横軸にとり、作業の期間を横棒で表したグラフです。
- 進捗状況を視覚的に把握しやすい
- マイルストーン(重要な節目)をひし形(◇)で表示
- アローダイアグラムと違い、作業間の依存関係は表現しにくい
5. EVM(Earned Value Management)
EVM はコスト・スケジュール・スコープを統合して管理する手法です。3つの基本指標を使います。
| 指標 | 英語名 | 意味 |
|---|---|---|
| PV | Planned Value(計画値) | 計画上、この時点までに完了すべき作業の予算額 |
| EV | Earned Value(出来高) | 実際に完了した作業量の予算額 |
| AC | Actual Cost(実績コスト) | 実際にかかったコスト |
差異分析
| 指標 | 計算式 | 判断 |
|---|---|---|
| CV(コスト差異) | EV - AC | プラスなら予算内、マイナスなら超過 |
| SV(スケジュール差異) | EV - PV | プラスなら進んでいる、マイナスなら遅れている |
| CPI(コスト効率) | EV ÷ AC | 1.0 以上が良好 |
| SPI(スケジュール効率) | EV ÷ PV | 1.0 以上が良好 |
6. リスクマネジメント
プロジェクトのリスクへの対応策は4種類あります。
| 対応策 | 内容 | 例 |
|---|---|---|
| 回避 | リスクの原因を取り除く | リスクのある作業を中止する |
| 転嫁 | 損失を第三者に移す | 保険加入・外部委託 |
| 軽減 | 確率や影響を小さくする | 予備のサーバを用意する |
| 受容 | 対策せずに受け入れる | 影響が小さいリスクは許容 |
7. 見積もり手法
| 手法 | 内容 | 特徴 |
|---|---|---|
| 類推見積り | 過去の類似プロジェクトを参考 | 早く見積もれるが精度が低め |
| ファンクションポイント法 | 機能の数・複雑さで見積もる | 言語に依存しない |
| COCOMO | ソースコードの規模から計算 | 定量的だが精度に限界あり |
まとめ
- WBS:作業を階層的に分解した図
- クリティカルパス:フロートがゼロの最長経路、プロジェクト全体の期間を決定
- EVM:PV・EV・AC の3指標でコストとスケジュールを統合管理
- リスク対応:回避・転嫁・軽減・受容の4種類